れんぼーの話
気が付けば9月です。この勢いで月日が進むとあっという間に2年間の初期研修医期間終わっちゃうんじゃないかと慄く、夜風に秋を感じる今日この頃です。
母校の仙台一高のはす向かいには「ラーメンハウスれんぼー」という老舗のラーメン屋があります。私も一高生時代から何度かお世話になったお店。当時同級生に連れられて行ったものの財布に500円くらいしか入っていなくて気まずそうな顔をしていたら、マスターに「無理して注文しなくてもいいからね!」と明るく言ってもらって救われた思い出とか、高3の模擬試験の出来がいまいちで気分転換に行った思い出とか、浪人生活を終えて母校に大学合格のあいさつをした帰りに寄ってきた思い出なんかがあります。
その思い出のお店が今日、閉店の日を迎えました。文化祭の開催日程に合わせたらしい。高校の同級生からは最終日の整理券をゲットしたことを自慢した写真が送られてきました。うらやましい。でも実は私も、先週の当直明けに行ってきました。ド平日だったけど並んでた。
私のころはまだ男子校でした。男女共学になってからしばらく経ちました。会話を聞いていたところ、列に並んでいたほとんどの人は一高関係者っぽかったですが(笑)、イマドキの女子大生っぽい子たちもどうもOGらしく、時代の移ろいを感じたわけです。
時代は変わっても、変わらなかったれんぼーの味。いや。ラーメン代くらい軽々と払えるようになって、舌も肥えてしまった今でも心からうまいと思えるれんぼーの味。最終日まで1日1日と、マスターは腕をあげていたのかもしれません。
たきい「63回生です! お世話になりました!」
横に座っていたOGと思しき女子大生から、
「(あ、このおじさんもOBなんだ)」
「(でも63って意外に若くない?)」
という視線を感じながらも、動じずに堂々としておくのがOBのつとめかもしれないと、胸をはってお店を去りました。
奥さま「まぁ、63回なのね」
マスター「ありがとう! 元気でね!」
御国のために尽くすべし――
というのは明治時代につくられた校歌の一節ですが、そうした生き方がしたいと思った若き日の志を思い出しました。また明日からも思いを新たに働きます。
れんぼーありがとう!!
(大学受験はもう二度とやりたくないけど高校時代には戻りたい人(笑))